騰落レシオとは?水準別の意味と過熱・底値圏の見方を初心者向けに解説
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📖 結論を先に
- 騰落レシオ = 値上がり銘柄数 ÷ 値下がり銘柄数 × 100。市場全体の「買われすぎ/売られすぎ」を測る代表的な需給・過熱感指標。通常は25 日移動平均で見る
- ざっくりの目安は120 超えで過熱・警戒、100 前後で中立、70 割れで売られすぎ・底値圏。 逆張りの一材料として古くから使われてきた
- ただし強い上昇トレンドでは 120 超えが続いても上がり続けることもあり、 単独で売買を判断する指標ではない。「過熱・冷え込みの温度感」を掴む補助線として使うのが現実的
- 株温計の 市場温度スコアは騰落レシオを直接の構成要素にはしていないが、過熱感を測るという狙いは共通。複数のセンチメント指標を重ねて見ると判断がブレにくくなる
騰落レシオとは
騰落レシオ(とうらくレシオ)は、ある市場で値上がりした銘柄の数と値下がりした銘柄の数の比率を見て、 相場全体が買われすぎか売られすぎかを測る指標です。英語では advance-decline ratio と呼ばれます。
個別銘柄の株価ではなく「上がった銘柄と下がった銘柄の数」に注目するのがポイントです。 指数(日経平均など)は値がさ株の影響を受けやすい一方、騰落レシオは市場の幅(マーケット・ブレッド)——つまり「多くの銘柄が買われているのか、一部だけが買われているのか」——を映します。 東証プライム(旧東証一部)全銘柄を対象に計算されるのが一般的です。
値上がり銘柄が多ければレシオは 100 を超えて上昇し、値下がり銘柄が多ければ 100 を下回ります。 この「100 を中立とした行き過ぎ」を眺めることで、相場の過熱感や底入れの気配を読み取ろうとするのが基本的な使い方です。
計算式と算出方法
計算式はシンプルです。一定期間の値上がり銘柄数の合計を U、値下がり銘柄数の合計を D とすると、
騰落レシオ = U ÷ D × 100(%)
1 日だけの値上がり/値下がり銘柄数で計算するとブレが大きすぎるため、実務では直近 25 営業日(約 1 ヶ月)の合計で割り算する「25 日騰落レシオ」が最も一般的に使われます。 ニュースやマーケット欄で単に「騰落レシオ」と言うときは、ほぼこの 25 日版を指します。
ほかに 5 日・10 日・6 日といった短期版もありますが、期間が短いほど敏感に振れ、長いほどなだらかになります。 まずは標準的な 25 日版で水準感を掴むのがおすすめです。
💡 計算例: 直近 25 日間の値上がり銘柄数の合計が 24,000、値下がり銘柄数の合計が 20,000 だった場合、 騰落レシオ = 24,000 ÷ 20,000 × 100 = 120。値上がりが値下がりの 1.2 倍あった、という意味になります。
水準別の意味(過熱・中立・底値圏)
25 日騰落レシオでよく語られる目安は以下のとおりです。あくまで伝統的な経験則で、 厳密な閾値ではない点に注意してください。
| 水準 | 読み方 | 意味・目安 |
|---|---|---|
| 130 以上 | 過熱・買われすぎ | 短期的な反落・調整に警戒する目安。上昇の勢いが強すぎる局面 |
| 120 前後 | やや過熱 | 古くから「警戒ライン」として最もよく語られる水準 |
| 100 前後 | 中立 | 値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がほぼ拮抗している状態 |
| 80 以下 | 売られすぎ | 反発が近いとされる目安。下げの勢いが一巡しつつある局面 |
| 70 以下 | 底値圏のサイン | 過去の大底(暴落の谷)付近で観測されやすい。逆張りの一材料 |
実務でよく言われるのは「120 を超えたら過熱を疑い、70 を割ったら底入れを意識する」という非対称な見方です。 天井圏では 120〜130 前後で頭打ちになりやすい一方、底値圏ではパニック売りで 70・60 台まで急低下することがあり、 「売られすぎ」のほうがシグナルとして分かりやすいと語られることが多い指標です。
※ 株温計はこの指標を独自にバックテストした検証データを持たないため、本記事では具体的な「○○のとき勝率△%」といった集計値は提示しません。 数値検証が必要な場面では、VIX・信用倍率など株温計が独自データを持つ指標の 分析記事を参照してください。
使うときの 3 つの注意点
- 強いトレンドでは「過熱」が続く: 上昇相場の初動では 120 超えがしばらく続くことも珍しくありません。 「120 を超えたから売り」と機械的に逆張りすると、上昇相場の大部分を取り逃すリスクがあります。トレンドの強さとセットで読む必要があります
- 「だまし」シグナルがある: 一時的に 70 を割っても、そのまま下げ続ける(ナイフが落ち続ける)こともあります。 騰落レシオの底打ちは「反発のきっかけになりやすい目安」であって、底を保証するものではありません。 価格や出来高の反転確認と合わせるのが安全です
- 市場・期間で水準感が変わる: 対象とする市場(プライム全体か、特定指数の構成銘柄か)や、 25 日・10 日などの期間で数字の振れ方が変わります。同じ条件・同じ系列で時系列比較することが大切です
⚠️ 騰落レシオは「相場の幅(ブレッド)」を見る指標であり、単独で売買タイミングを決める道具ではありません。 VIX・信用倍率・投資主体別フローなど、性質の異なる指標を重ねて初めて「過熱・冷え込みの確からしさ」が高まります。
株温計の市場温度スコアとの関係
株温計の 市場温度スコア(日本版)は、C1(日経225 の移動平均乖離率)・C2(裁定残)・C3(海外勢フロー)・C4(信用倍率)・C5(ドル円モメンタム)の 5 要素から算出しており、騰落レシオは現状の構成要素には含まれていません。
ただし、騰落レシオと市場温度スコアは「相場の過熱/冷え込みを 1 つの数字で掴む」という狙いが共通しています。 騰落レシオが市場の幅(ブレッド)に注目するのに対し、市場温度スコアは需給・センチメント・マクロを横断的に束ねている、という役割の違いがあります。
実用上は、「騰落レシオが過熱を示し、かつ市場温度スコアも高い」といったように、 異なる角度の指標が同じ方向を指したときほど判断の確度が上がります。逆に両者が食い違うときは「まだ方向感が定まっていない」と捉え、 慎重になる材料として使えます。今日の温度は トップページの市場温度ゲージで確認できます。
※ 本記事は騰落レシオという需給・過熱感指標の理解を助けることを目的とした解説記事であり、 特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載している水準の目安は伝統的に語られてきた経験則であり、 将来の相場や個別の投資成果を保証するものではありません。投資判断はご自身のリスク許容度に応じて行ってください。